司法書士試験に限らず、資格試験は何年もかけて合格を狙おうとするのではなく短期合格を目指すことが、モチベーションを保つ上での鉄則です。
とはいえ、司法書士試験についていえば、1年程度の学習期間で合格を勝ち取ることは一般的には難しく、2回以上の受験回数を重ねて合格する方が多数派です。
受験回数を重ねた方は、司法書士試験の学習量の膨大さゆえの、スケジュール管理の重要性を痛いほど感じていることと思います。
ここでは、過去に司法書士試験の受験を志したものの、なんらかの理由で断念し再スタートを切る方や、学習が2年目以降の方が行うべきことを解説していきます。
目次
まずは自己分析
学習が2年目以降もしくは再スタートの方であれば、まず行うべきは自己分析です。
1年目の学習において改善すべき点、また、現在の自分の実力を明確に認識しないことには、今後の学習計画やスケジュールの立てようがないからです。
もし今までの勉強法が自分に合っていないのであれば、次も結果は同じ可能性になってしまうこともあります。
自己分析のために最適なのは、各資格スクールが本試験終了後に随時開催している、「本試験分析会」や「本試験検証会」などの本試験問題の解答と解説を行う講座です。
単にどの科目で何点足らなかったなどの分析だけではなく、本試験までの学習内容や本試験本番でのことを全て洗い出し、良かった点・悪かった点をピックアップしてみましょう。
スケジュール、学習時間の作り方、教材の使い方などから、仕事やプライベートのことまで、あらゆる観点からの振り返りを行いましょう。
合格を勝ち取ることができなかった原因は、勉強方法そのものかもしれませんし、仕事上の問題が影響しているのかもしれません。
ただの「反省」では意味が無い
自己分析では、なんとなく、「勉強時間が足りなかったから来年はもっと勉強しよう。」というような「反省」ではなく、しっかりと原因を掘り下げて、具体的な改善策を考えなければいけません。
仕事が忙しすぎて、計画通りの学習時間を確保できなかったのであれば、その仕事の忙しさを基準として、さらに使えるスキマ時間を探す必要があるでしょう。
休日の家族サービスのために勉強時間が足りなかったのであれば、家族と話し合い、一定期間勉強に専念するために協力してもらう必要があるかもしれません。
いずれにせよ具体的な不合格の原因の把握と、改善策を考えることが再スタートへの第一歩となります。
本試験終了後のモデルスケジュール
本試験終了後、次年度の試験に向けての概ねのモデルスケジュールは以下のようなものです。
- 学習再開後~年内 基礎知識の復習
- 次年度1月~3月 応用力や実践力をつける期間
- 次年度4月~6月 知識の精度を高める直前期
学習再開~年内
本試験終了後に学習を再開させる時期は、以下の3つに分かれるでしょう。
① 本試験終了後すぐに再開(7月上旬)
② 択一式基準点発表後に再開(8月上旬~中旬)
③ 筆記試験合格発表後に再開(9月下旬~10月上旬)
本試験終了後に、すぐに次年度の合格を目指すことを決断してのであれば、できるだけ早く学習を再開させるべきでしょう。
もちろん、自己採点が合否ライン上であれば、択一式基準点発表後や筆記試験合格発表後に学習を再開させざるを得ない場合もあると思います。
ただし、本試験終了後であれば年内に5カ月程度の学習を進めることができますが、筆記試験合格発表後の再開では年内の残り期間は3カ月となりますので、その場合は全科目の復習ではなく、主要4科目(民法、不動産登記法、会社法・商法、商業登記法)に絞って基礎固めの復習を行うとよいでしょう。
筆記試験合格発表後に学習を再開させるということは、それだけ合格に近かったということであり、気持ちの切り替えが難しいかと思いますが、人生の勝負所と受け止めて、なるべく早く学習のペースを取り戻してください。
次年度1月から3月
年が明けて3カ月程度は、アウトプット学習を中心として自分の苦手分野を把握して、対策を行う期間です。
3カ月の短い期間ですが、最低でも試験範囲の全科目1回は学習して、弱点の補強に努めましょう。
そして2回目以降の挑戦ですから、この時期に一度合格レベルまで知識の精度を高めるつもりで学習を行いましょう。
この時期にそのレベルまでの学習を行うことができれば、直前期の負担はぐっと軽減できるはずです。
次年度4月から6月
4月に入ればいわゆる「直前期」です。
全11科目をバランス良く、できるだけ短い期間で繰り返し学習を行うことで、知識の正確さを追求していきましょう。
目標は4月に1周、5月に1周で全科目2回転させることです。
苦手な論点を優先させ、毎日なるべく多くの科目を同時進行で進めていってください。
また、4月頃からは各資格スクールで公開模擬試験が始まりますので、必ず1度は受けましょう。
最後の6月の1カ月は最終チェックと試験本番に時間が足りなくならないようにシュミレーションを行う時期です。
過去問や予想問題を使い、できれば2~3回は時間配分のシュミレーションを行うとよいでしょう。
最終チェックの学習内容は苦手な論点、手薄になっている論点を優先させ、5月の1周で問題が無いと感じられた論点はテキストをさっと読む程度で良いでしょう。
司法書士試験に再チャレンジする際にやるべきことまとめ
司法書士試験に再度挑戦する際に、なんといっても肝となるのは試験後の自己分析をいかに深く行うことができるかです。
そして、しっかりとした自己分析さえあれば、経験に裏打ちされた次の1年間の学習はきっと実りあるものになるはずです。
遠回りしたように思える期間も、最終的に合格を勝ち取ることができた後に振り返れば、きっと自分の人生に必要なことだったと思えるはずです。
必ず合格できると自分を信じ、できるだけ早く気持ちを切り替えて再スタートを切ることを心がけましょう。