司法書士試験の合格に必要とされる勉強時間はおよそ3000時間。
一般的な学習計画である2年間の期間をかけるとすれば、1日平均4.1時間です。
これまで、本格的に資格試験にトライしたことがない方であれば、2年間もの長期間に渡り、これだけの勉強を欠かさず行うことは、ちょっと想像がつかないレベルかもしれません。
学習を始めた当初であれば、モチベーションも高く、さほど苦もなくノルマを達成できるかもしれませんが、人生2年間もあればさまざまなことが起きます。
どんな状況でも最低限のモチベーションを保ち続ける工夫は、司法書士試験の合格
を勝ち取るためにはないがしろにはできない要素といっていいでしょう。
勉強できる環境を整える
今まで通りの生活習慣を続けたまま、1日4時間以上の勉強時間を確保できる方はまれでしょう。
とにかく、まずは勉強時間そのものを確保できるような環境を作らなくては、話は始まりません。
学生の方であれば、試験勉強期間には今までよく会っていた友人などには、事情を話してしばらく会えない旨を伝える必要があるかもしれません。
家族のいる方、特に子供がいる方は家族サービスを一定期間ガマンしてもらうよう説得する必要があるでしょう。
もし、このような環境を整えられず、周りの人間を説得できないようであれば、司法書士の学習を始めたとしても合格レベルに達することはできないでしょう。
逆にいえばその程度のことを実行するだけの気持ちが無いのあれば、厳しい言い方になるますが、司法書士試験には縁が無かったと思い、試験自体へのチャレンジを諦めた方が貴重な時間を無駄にせずに済むかもしれません。
スケジュールを立て、勉強の成果を記録する
司法書士試験の合格に必要な膨大な知識を効率良く身につけるには、学習スケジュールの立案は必須です。
そして、一旦学習スケジュールを立てたならば、後は淡々とその計画に従い、必要な勉強に集中するのみです。
一日一日にやるべきことさえはっきりしていれば、「本当に勉強が進んでいるのか。」といった漠然とした不安から解消され、逆説的ですが、モチベーションに頼らずに学習を確実に進めることにもつながります。
また、1日の勉強が終わったら、その日行った勉強の科目・ページ数・時間を専用のノートを作って記録しておきましょう。
達成感が得られるとともに、本試験前に見返すことで「こんなに勉強してきたのだから絶対合格できる!」という自信にもつながります。
プラトー(高原現象)は誰にでも訪れる
なお、学習を進めていく過程で、勉強しているのに中々答練などで結果がついてこない時期が必ずくると思います。
しかし、それは「プラトー(高原現象)」と呼ばれる状態で誰にでも起こることです。
どんな物事の上達も、ある段階までは上達のスピードは早いのですが、一定のレベルに差しかかるとどんなに練習してもほとんど上達しない段階が訪れます。
それでも、諦めずに練習を続けることで、再び上達が始まります。
このいくら練習しても上達しない時期のことを「プラトー(高原現象)」と言います。
当然、司法書士試験においてもこの状態を現れますので、そんな時こそ、さきほど述べた学習記録ノートを見返して自信を取り戻しましょう。
なるべく勉強を楽しむ工夫をする
司法書士試験に限らず、資格試験の勉強はとかく単調になりがちです。
しかし、そのような単調さや、勉強に対する飽きこそ、モチベーションの最大の敵といえるでしょう。
学習の単調さを極力避けるためには、学習方法そのものに変化をつけることが有効です。
最も、簡単なのは「勉強する場所」を変えることです。
自分の家の机の前に座っているだけでは、息がつまるのも当然です。
時には資格スクールの自習室や、カフェなどに場所を移して勉強することも良いでしょう。
また、現在では通信講座の講義などはスマホやタブレットでも視聴できるので、あえて電車やバスの中で視聴することも集中力を取り戻す助けになるかもしれません。
それだけでなく、テキストを読む、動画講義を視聴するなどの基本的な学習方法に加え、音読などの能動的な学習法を取り入れてもいいでしょう。
肉体的な作業を伴った記憶は、見る、聞くだけのインプットよりも記憶に残りやすいものです。
その音読を録音しておけば、自家製の音声教材のできあがりです。
このように勉強のやり方に自分なりに変化をつけて、勉強をなるべく楽しむ心がけもモチベーション維持のためには重要でしょう。
司法書士試験でのモチベーション維持法まとめ
長い受験勉強生活の中では、なにをどのように勉強するかと同じように、いかにその勉強を継続するための環境やモチベーションを維持するかも等しく大切な要素です。
資格試験への挑戦はひとつのプロジェクトのようなものなので、気合いだけで乗り切れるような甘いものではありません。
ぜひ、この記事を参考に、しっかりとした環境整備を行い、学習計画を立て、モチベーション高く司法書士試験の合格に邁進してください。